保健師として大切な実習
保健師の仕事というのは、実習にとてもウエイトがかかっています。
これは実践することがとても大切なことだという事実がある以上に、人と接する練習にもなります。
保健師として働く上でとても大切な実習について紹介しようと思います。
実際、4年制の大学では、病院の中の看護と地域看護学が同時に統合された形で形成され、
1年間の保健師では看護学校の教育を基礎に、
1年間で保健師にとって必要な科目を履修する形になります。
この場合、前期はほぼ講義や演習といった座学的なものが中心となっており、
保健師における基礎的な考え方や知識の部分を学んでいくことになります。
そして、夏休み明け、後半あたりからは地域の保健施設、市町村、
企業、小中学校などの実習で、前期にならった座学的な内容を実践へと結び付けていくのです。
実際に私が行った自治体での具体的な実習内容について紹介したいと思います。
まず、妊婦さん向けの母親学級をしました。
最初は人前で話すこと自体がとても緊張したものです。
前日から何回も資料を読んで、家族相手に話す練習をしました。
学校では発表する機会というのはほとんどなかったですし、
あったとしても学生と先生が相手でしたから、
今回は一般の方に対してしなくてはいけませんので、本当に緊張だったのです。
また、パソコンを使ってのスライドショーや、
DVDの操作といった機械になれていない私にとっては事務的なこともとても心配でした。
パソコンが途中でフリーズしてしまったらどうしよう、
とかDVDがきちんと操作できるだろうか、とかとても不安でした。
実際に指導してくれる保健師の先輩というのもいるのですが、
業務に忙しいようで、なかなか質問をするタイミングが難しく、
近くにいるからといって全面的に頼れるような存在でもありません。
基本的には実習でも自分が全責任をおっているというくらいの気持ちでいきなさいと
先生から言われていたので、本当に困ったときだけ相談するということを心がけました。
とはいえ、実習中である身分を使って、なるべくたくさん質問をしてみたのは良かったような気もします。
忙しい中でも丁寧に解説してくれたり、解決に際して相談にのってくれたりと、
私は先輩に恵まれたかなと思います。
母親学級がいざ始まると、みなさんの顔を一人ひとりみながら話す余裕もなく、
淡々と進んでいってしまいました。
人形を使って沐浴指導や母親になるにあたっての心構え、栄養指導を行いました。
慣れ
実習も何回かするうちにだんだん慣れてきて、
最後のほうはお母さんたちの顔をうかがいながらできるようになってきたことを
ほめられるようになったのは良かったかなと思います。
質問事項でも予想もつかない質問なんかがとんできて、
教科書どおりの回答をしてもなかなか納得してもらえないということも分かりました。
常に先輩保健師さんがついていてくれたのでつどフォローしてもらえたのはありがたかったです。
最後に、先輩から、自分も初心を思い出すことができたのよ、
ありがとうと感謝の言葉まで頂いてしまって本当に恐縮でした。