保健師を目指した理由
私は小さな頃から、人に「ありがとう」と言われることが好きでした。
自分みたいな者でも誰かの役に立てたと思うと、
なんだか「自分の存在意義」みたいなものが感じられるような気がしたのです。
最初は家族に「ありがとう」と言われるのが嬉しかったのですが、成長とともに友人や先生、
アルバイト先の人など色々な人に「ありがとう」と言われることが好きになりました。
そして、次第に「ありがとう」と言われるような仕事を一生の仕事にしたいと思うようになりました。
テレビなどで時々専業主婦と働く主婦が激論をかわしていたりしますが、
私は自分が「働くことが好き」であるのならば、育児に専念しなくても、
子どもはきっと横道にそれたりしないのではないかと思います。
ですから、私は一生「ありがとう」と言われたくて、手に職をつけることにしました。
最初は美容師になろうかと思ったのですが、私はあまり手先が器用ではなく、
センスにも自信がなかったので、周囲の大人や友人に進路について相談してみることにしました。
たまたま友人のお母さんが看護師さんをしていて、
私は優しいので向いているのではないかと勧めてくださったのです。
今までにないくらい猛勉強をして、看護大学に入学することができました。
「看護」の勉強は体がどうなっているかですとか、病気にはどんなものがあるか、
だけではなく微生物についてですとか、ベッドメイキングの方法など一見「看護師」の仕事には
関係のなさそうなこともたくさん学びます。
献体も学ぶ
亡くなった方が、自分のなきがらを医療や看護の学生のために
お役立て下さいと申し出てくださることを「献体」と言うのですが、「献体」で解剖を学んだりもします。
初めて見た時は、心臓がドキドキして思わず手を何度も合わせてしまいました。
そして、ある程度学びを深めたところで、大学病院に看護実習に行くのですが、
当初は白衣を着れたことの喜びが強かったのですが、段々と月日が経つにつれて、
何度も入退院を繰り返す患者さんの存在に気付きました。
そこは「内分泌科病棟」という病棟だったのですが、
甲状腺が悪い患者さんや、糖尿病の患者さんが入院していました。
糖尿病の患者さんの中には「教育入院」と言って、病気が悪くなったから入院するというのではなく、
糖尿病について理解を深めてもらい、ご自宅でどんな食事にしたらいいのか、
どんな運動をどのくらいしたらいいのか、などをわかってもらうための入院なのです。
しかし、中には1度「教育入院」をしても、糖尿病を悪化させない食事や運動が守れず、
何度も再教育入院してくる方がいらっしゃいました。
この経験を機に「病気になってからでは遅いのではないか?」と考えるようになりました。
私の大学では「看護師」の資格も取得できますが、保健師の資格も取得できます。
「保健師」であれば、病気の予防をメインにした仕事ができます。
以上のような理由から、私は「保健師」になりたいと思っています。
予防活動を通して、予防できる病にかかる人を1人でも減らしたいと思っています。